二度めとなる、ツララとのダブルネーム。胸に新しいツラリスとトビウオ。左袖から右袖にかけて、Ford,every stream till you find your dream. (夢をさがして、すべての川を渡ろうじゃないか)　と。アルタミラでは初めてとなる、前面に大きくプリント。背中とのデザインと相まって、ライダース風に可愛くて、かっこよさを付加したような小川健太郎のデザインそのままに。神生地(2023年時点で最高!?)を使って、できるだけのことを、妥協なく仕上げたアルタミラ。

友人であり、協力者であり、またいろいろな部分で先生でもある小川さんとの出会いは、実に、25年を越えた。僕が編集者時代の時から、現在の冒険用品・代表になってからも、ずっと続いている、この関係はとても貴重なものだ。これほど、長く、その時にそれぞれが目指していること、夢中になっていることは変わっていっているけれど、離れず、共同体というか、パーティの一員である感覚はずっと続いていることが稀有だろう。

僕も変人だと思うが、彼はもっと輪をかけて.. 笑　社会的におかしいとか、いろいろなアクシデントを起こしたり、常識とは違うことをしたりしているようにみえるけど、そもそも常識なんてあってないようなものなのです。型にはまり、世界にあわせるようであれば、創造はできない。クリエイターというより創造者、釣具を作るという部分でいえば、神の一人だとも思うから。

忘れられない思い出がある。私がルアーマガジンを電撃的に辞めて、それは2011年の春。小川さんから、すぐに連絡が入って、僕にこう言った

「なにがしたいですか?　なにかできますか?　どうしたいですか?」

僕はそのとき、会社を作ろうとしていて不安だった。どうすればいいのか、すべてが疑問で、辞めた直後の彷徨うメンタルなのに、それまで地図があるところを歩いていたけど、急に世界が変わって、目標物が何もない砂漠が現れたような、思考がフリーズしてしまうような時だった。そのあとの10年は、とても多くの良いことも悪いことも起こるのだけど、一緒に笑ったことも、怒ったことも、涙したことも.. でも、結局は「興味深い」ことばかりだった。いろいろな意味で、ね。

激流を渡って、流されたとしても生きていれば、最高なのだ。その流れを一緒に渡った一人が彼であり、助けてくれたのも、渡り切って笑ったのも。

アルタミラを作るきっかけは、彼と一緒に世界へ旅に行ったからでもあるし、ジェットセッターというパックロッドは、彼の提案をそのまま受け継いだことからスタートしている。そんな小川氏との、ツララとのダブルネームのプロダクトを作るのはとても楽しいこと。みなさんに、形として見せられる彼との写真、絵画のようなものなのである。だから、そういうものであるから、今、冒険用品が作れるベストを尽くしたアルタミラなのです。


ここに小川さんが過去のブログで書いた一節を引用する。彼がどんな人なのか、それを知って欲しいから。

TULALAの竿はみんなそれぞれ担当の人間の想い、目標のために作って
その場を提供してそれぞれうまくやってくれています。
動機は人助けですよね。
きっとそういう場を作り続ける、ということが
自分じゃないとできないことだ、と事故〜地震以来全ての出来事に思っています。
決して不利益だけではない何か、が必ずある、と信じています。

助けられなきゃ助けてもらえないし、助けてもらったら助ける。
ものすごくあたりまえのことじゃないか、と思うわけです。
この国において、生まれたその瞬間から、誰も助けない人生はありませんし、全く助けられない人生もありません。

粛々と、人を助け、モノを助け続け、そういう方法で
勝手に前に進み続けますので、興味ない人はほっといて下さい。
それでもそういう場になれば助けますけど。
(2012年12月21日　fimoブログより　原文ママ)

素材:COCOTYベアスムース(+ファンクション　ポリエステル92%、ポリウレタン8%)
紫外線遮蔽率:93.9%
紫外線保護係数:40(UPF Excellent protection)
吸水性:2(秒)
速乾性(100%):67.8(分)
生地カラー:ディープブルー、ダスクグレー
生地生産・縫製:日本